僕の知っているNFT発行者の失敗事例

失敗の 事例 NFT事件簿

こんにちは、毎日瀕死マンです。

今日は僕の知っているNFT発行での失敗の事例を残しておこうかと思います。
有名所を中心に書いていきます。
ジェネラルティブ(企業や組織が発行するパーツ入れ替え方式のNFT)です!
個人の発行するようなNFTは除きます。

NFTの失敗の定義とは

何をもって失敗とするか?

失敗の定義を決めておかないと議論にならないと思うので決めちゃうと

僕の考えでかなり厳しいのですが販売価額を下回る場合は失敗だと思います。
なんなら、フィアット比で価値をあげれていないNFTのプロジェクトは全て失敗だと思います。

NFT発行者側からすると色々言いたいことはあるかと思いますが、
購入者の立場からすると価格を下回るのは期待外れなんです。
ほぼすべてのプロジェクトは最初に価値を上げていくことをうたっています。
PFPプロジェクトだから画像に満足しなさいなんてことを明言して販売しているプロジェクトもあります。
しかしなぜ販売価格を下回るのかというと、
画像にその価格を払うことを満足してない人が多いんです。

安定した価格の上昇はその画像データを保持することのユーザーの満足の証明です。
コミュニティかもしれません、画像データかもしれません、使えるサービスの性能かもしれません。
他の人に自慢できることかもしれません。
これさえ達成できていれば価格は下がらないです。
欲しい人が多いですから。

NFTで価格をあげれているプロジェクトはごくごく僅かです。
つまり大半のNFTは販売価格が高すぎるのか、数が多すぎるのか。
問題を抱えている可能性があります。

失敗した事例について

Etherealの場合

NFT名:Ethereal
HP:https://etherealartnft.com/
Twitter:https://twitter.com/EtherealartNFT
セール日:2022/3/1
販売価格:0.2ETH(パブリック0.25ETH)
総数:7,777
ユーティリティ:無し

当時のいきさつ

丁度Azukiが1月末にリリースして躍進
アニメ絵のプロジェクトとしてジプシー、KGF、Asunaと順調な結果を残していました。
つまり女性の絵のプロジェクトは伸びるのではないか?と期待されていたような状態でした。
チームの意気込みも高く
将来的にはアニメにしたい、有力IPにしたいという強い意気込みをもっていました。
メンバーのAsiaさん(インスタ111万人、Twitter3万人)がイラストを担当しており
いわゆる過去の傾向からいえば大きく期待できるのは事実だったと思います。

Ethreal

綺麗は綺麗ですよね。

Etherealでおきた地獄のコメント大会

さて、非常に期待が高かっためプロジェクト側もどうWLを付与するか?を苦心したようです。
結果として「レベルとコメント数が一定を越えること」、「ミームや手書きのアートを投稿すること」を条件として「ハンドピック(運営者が手動で選ぶ)」という方法をとりました。

当時のETHは$3000でしたので他のプロジェクトと同様ヒットさえすれば100万円に近い
報酬を得られる可能性があります。コメントすることが仕事になり得る状態になりました。

ユーザーはコメントをし続け、運営がきたら話しかけるアピールする感謝する。
蜘蛛の糸がたれてくるのを願うようなそんな極端な状態になってしまっていました。
1日10時間をそこで過ごす人も出ておりかなり異常な状態でした。

実際のミントの結果

2月の半ばごろにはNFTから資金が抜ける動きが顕著で3月になるとNFT相場は暗くなっておりました。
何でも上がることはなく多くのプロジェクトがミント価格を割れるような状態が続いていました
ミント価格を最初0.25ETHと発表してコミュニティ側が地合を考えてよと反発
0.2ETHに下げたように記憶しています。
ETHはまだ$3000ですから1個あたり$600の価値があると考えていたようです。

3/1当日ミントは進まず100数個でミント割れが発生。
運営は価格を0.1にすると発表しミントが再開。
ですがその後更に0.1も割ってしまい、ミントが進まなくなりました。

結局総数を5000に減少。
(2777は休眠)となりました、
現状も0.02とミント価格も下回っています。
(ETH比もフィアット比も)

原因についての分析

典型的な運営が自信を持ちすぎていたケースだと思います。
ユーザーはほしいといいますが欲しいのはお金です。
絵じゃなかったのですが、それを自分たちの価値と勘違いして評価してしまったのではないでしょうか。
ハンドピックの仕組みが余計に彼らの錯覚を助長してしまったように思います。
日本人コミュでもかなり悪評高く言われておりましたので他の海外コミュでも同様に難ありにいわれていたのではないでしょうか。
Discordでの活動を強制することは反感を招いた可能性もあります

・コメントを煽る行為はコミュニティの形成には向かない可能性がある。
(本当に欲しい人につながらない)
・作画のクォリティは価格に直結するわけではない
・価格を下げることは需要がない状況では必ずしも正しい手段ではない
・Twitterやインスタの人数は参考指標にしかならない

早期の販売価格を下回ったのはNFT運営は予め「需要を生み出すこと」まで想定してリリースしないと行けないのではないかと思います。
投機的な価値が入る要素を残しておかないといけないんじゃないかなと。

売りきれなかったらおしまい!でもいいんですが
プロジェクトを進めるロードマップを約束してしまうと人件費もかかりますし予算は必要なんですよね。
売る側は慎重にそこまで見据えないとならないんじゃないでしょうか。

株式会社や個人なら自社の最大益を狙うのが常道かとは思うのですが、
安定して価格が上がることがユーザーも安定して持っていられる理由になりますので
運営サイドが継続してNFTでビジネスをするならば、投機的な価値、価格が向上する部分を見通すほうが賢いように思えます。

MutantShibaclubの場合

NFT名:MutantShibaClub
HP:https://www.mutantshiba.club/
Twitter:https://twitter.com/MutantShibaClub
セール日:2022/3/31
販売価格:0.2ETH
総数:10,000
ユーティリティ:将来の変化

当時のいきさつ

1月ごろに確か第一報がでて非常に賑わっていました。
当時はDiscordが限定公開のような形で
Twitterに一瞬だけ出てきてその時に入らないといけない
そんな秘密クラブみたいな感じでした。

アニメーションNFTということや将来の変化を予定していることが、
BAYCにおけるMAYC、ミュータント化があるかのようで期待されておりました。
非常にWLの取得難易度が高かったようです。
一見さんお断りと言った感じで過去のコメントが少ない人がGiveawayで獲得しても取り上げられるといった厳しい場所でした。

実際のミントの結果

地合の悪さもありミントは順調とはいかず・・割れてしまう感じの値動きに。
7000ぐらいでミントが進まなくなってしまい

運営から残りの3000については保有者が早いものがちで無料でミントできる形にするというアナウンスがありました。

それで1万個が完売。例によってクォリティは高めだと思います。

MSC

(実際は動きます)

原因についての分析

これもEtherealと同様に需要が少ないものを高く売ったことが一因じゃないかと思います。
実際に欲しい人は少なく、多くの人はお金が欲しかった。

・コミュニティをクローズにしていき厳しくWLを付与することは本当に欲しい人につながらない可能性がある。
・作画のクォリティは価格に直結するわけではない
・無料で配ることは当然下げる力が働く
(ただMutantshibaclubの場合はその後一時的に価格は上昇していました)

当時言われていたのはホルダー限定Discordにしてしまうことで
欲しい人がどんな感じのDiscordなのか?とみれなくなってしまっていました。
将来の保有者になる可能性のある人も拒否してしまった可能性があります。

NFTを純粋に欲しい人というのは極めて少ないんだと思います。
個数は欲しい人よりも少なくなるように見据えないといけない。
難しいですね。

NFTを持っていられる理由を考えてみると一定の価値があることなんです。
価格が上がり続けるならずっと持っていられますよね
お金が欲しい人も一番高いところで売りたいですから。
ずっと上がり続けるのは現実的ではないですが、一定の価値の証明
取引が続くことや、長く価格を維持すること。
それができるとコミュニティも元気な状態が続きます。

組織だってNFTを発行する場合は価格を上げ続けるビジョンが必要だと思われます

FriendsWithYouの場合

NFT名:FriendsWithYou
HP:https://friendsies.io/
Twitter:https://twitter.com/fRiENDSiES_Ai
セール日:2022/4/3
販売価格:ダッチオークション3.3→0.25
総数:9,907
ユーティリティ:AIでのお喋り

当時のいきさつ

元々アーティストとして高い実績のあるFriendsWithYouさんの作品でした。
雲をモチーフにしたかわいいキャラクター(元々のアートは奇抜な世界観ですね)
でオークションハウスのクリスティーズが主催したOpenseaでのオークションでは1/1が96.9ETHで落札日本円だと4000万円近い価格がつきました

Friendwithyou

前提となっていた過去の作品のホルダーに配られたGoldencloudSuperKeyは一時期5ETHになり
海外セレブも購入しておりました。
初動が確か10-11月頃でそこから満を持して4月にリリースとなりました。
将来はAIを搭載したキャラクターがメタバース空間で会話ができる。
キャラクターのアバターは編集可能、実際1/1は高い価格がついている等
他のNFTと比べると期待は大きかったです。
なお、1月2月はNFTブームでしたので完全に時期を逃してのリリースです。

実際のミントの結果

当初5ETHからのダッチオークションをしたがっていた作者のFriendsWithYouさんですが、
市場の悪化に伴い3.3ETHに下げてのスタートとなりました。

クリスティーズの1/1購入組
直前に販売された10ETH購入組
ダッチオークション組
GoldencloudSuperKeyでの無料ミント組

4パターンの人がいました。
キャラクターのアバターは編集可能ですが。
パーツは個数が限定されていて早いものがちという仕組みを用いていたため
10ETHで買う人やダッチオークションで早く買う人はいいアバターを先に選べることとなります。
GoldencloudSuperkey組は当初は先行してミントできるようなことや限定パーツが有るようなことが言われていましたが後発に回され残りのパーツでやってねということになりましたw

実際のダッチオークションでは上位でも少しだけ売れたのですが売れ行きは悪く0.25まで下落しました。
その際はガスが大きく上がり欲しい人は多そうな感じでしたね。

アバター編集

3D空間でクォリティの高いアバターの編集をできるのは本当にこれぐらいしかみたことがないです。
このサイトがアクセス過多でうまく機能しない。
期待のパーツがとられてしまい中途半端なものが出来上がる。
友達を作るという体験の部分がうまく機能しなかったかんじでした。
8000人に同時にアクセスさせた時点で失敗だったかなという気がしますね・・・
(そもそものハード側が対応できないような計画が破綻しているのに運営が気づいていなかった)

僕は結構楽しくやれたので大事に持ってます!
(Discordのアイコンにもしてます)
満足をさせることで価格に関係なく持ってくれるホルダーが増えます

くま

原因についての分析

体験の部分をうまくやれなかったのは大きいと思います。
ホルダーを作るにあたっては作らせることで愛着を持たせることもできるわけです。
一番機能させないといけなかった部分を失敗しているので大失敗だと思います。
(僕は2体作って可愛がっています!)
一度作ってしまうと編集もできないので後から新規の人も入りづらいですよね。

・実際の需要をシステムの失敗で潰してしまった可能性がある
・作品のクォリティは価格に直結するわけではない
・ダッチオークション
・作者がお金を欲しがりすぎた

ダッチオークションは価格を探るにあたっては良いシステムです。
皆が欲しがる価格で妥結するので売る側は最大益をとることができます
ですが、市場の全てのお金を運営がとってしまうと投機的な値動きはなくなってしまいます。
(その価格が最高値になり次の買手が見つからなくなる可能性がある)
ダッチオークションで成功している例はあまりないです。
(Azuki、カラフルなどの成功した事例もありますが、これらは開始価格で完売しました

今回の場合はさらに8000個近くダッチオークションをしたので、
焦って買う理由がなかった点もよくなかったですね。
一定の需要はあるとしても8000個もあると減ってきてから買えばいいのでお互い見合う状況が生まれます。
ダッチオークションをする場合は数に見合った需要がないと厳しいのでしょう。

キャラクター選択方式、面白いキャラクターを入れるのは遊び心としては良いのですが
ハズレのキャラクターは不人気で安く売られます。
全体の価格が表示される中で一番安い価格がフロア価格として表示されますので
ハズレのキャラクターはマイナスに動く可能性が高いと思います。
他の人が設定した可愛くないキャラクターの需要というのはなかなか難しいです
作る側は全てが当たりになる欲しがる人がいるように作るのが正解だと思います。

作者がお金を欲しがりすぎたのも大失敗だったのではないかと思います。
96ETHで1/1が売れるようなプロジェクトは当時の相場的にフロア価格1-2ETHついてもおかしくないです。
もちろんこのフロア価格というのは決してリアルな数字ではないです。

フロア価格なんてものは需要より多く売り込まれたら簡単に下がります
1ETHとして表示されているのは1日に10個しか売られない世界の話であり
作者がいきなり8000個売るとそりゃ需要は勝てません。
フロア1と表示されていても実際は0.1かもしれないですし。
作者のプロジェクトの過大評価がNFT自体の価値を下げたと思われます
価格が安く即完売するようなスタートであればずいぶん違ったんじゃないかなぁ。

大事ですが最初に集金しちゃうプロジェクトは作品側もやる気が無くなります。
持続させるためにもセカンダリーの手数料で稼ぐようなイメージでいるほうが
プロジェクトにとっても、ホルダーにとってもいいはずです。
(インセンティブがどこで発生するか、最初に渡しちゃうと持続力はなくなる、継続して少しずつ渡すような契約のほうが平等です)。

まとめとどうすればいいのか

色々書いてみるといくつか共通点があります。
一番は自分たちのプロジェクトを過大評価していることが原因です。
対策は
・外部の人に客観的な意見を聞く。
・コミュニティの反発がでたら自分の間違えの可能性が高い。
・自己評価より1段2段低くするぐらいが投機的な需要を残して丁度良い
はないかと思います。ちょっと安く売るぐらいがいいです。

2点目は作品のクォリティは高くても価格は高くならないです。
ゴブリンのクォリティやビジョンはFriendsよりも低いと思いますが価格は高いです。
ロードマップや他にない特徴があっても高くなるわけじゃないです。
ファンを作ること、価格が上昇するだろうという期待を持てる状態を作ることで
人々は売ることがなくなります
これが価値が上がるサイクルといえます。
投機的な需要のほうが大きいのがNFTですね。
実際のアートも飾りたい、ほしいという気持ちと同時に資産価値が上がることが期待されます。
これはアートの宿命でもうしょうがないと思います。

3点目は時期が悪いとどうしようもない
すべて時期が悪くなってからリリースされています。
2月や1月にリリースされていればどれも大成功をしていたんじゃないかと思います!
厳しい話ですがNFTはアートそのもの価値よりも地合の方が大きい
ということじゃないかと思います。
1月2月なら本当に全然気合が入ってないプロジェクトでも完売してたりしましたからね…
NFT市場は未発達なのでこれから先はわからないですが、プロジェクトそのものの価値よりも地合の影響のほうが大きいと考えています。

ついでに愚痴ると
渋谷に広告出すとか、タイムズスクエアに広告出すのは全く意味がないです。
あれは経費にするためですかね。わかりやすい行動のようで選ばれがちですが
コミュニティのために使うほうが良いと思います。
お金を出せば誰でもできるようなことに価値はないですよ。
新規の人は入ってきづらいのでNFTをやってる人にPRしていくのが大事そうです。

僕は発行者じゃないのでホルダー側の視点ですが
値段がついている以上皆リスクを背負ってます。
ですので価値を維持する、価格を上げていくことをどうすればできるのか?
と考えうrのはNFTアートでは避けられないと思います。
個人制作の場合
少額、少数ならば相手方もそんなに期待しないので大量に販売しないのは一つの手だと思います。

ちなみに、NFTの運営に失敗で自分が損をした!運営が悪い!というのもまた違うと考えます。
自分が投機に負けてるだけなので運営は別に悪くないんですよ。
買った人の判断が悪いです。そういうものだと考えています!
株やトークンじゃないアートという建前のものを買う以上はこれぐらいのリスクがある商品だと思います。
会社の株なら価値を上げ続けろですが、作品の場合はあなたはその作品が欲しくてその価格で買ったでしょう?に反論できないです!
だから作者とか運営に当たるのは筋違いです!
期待できないと思う場合は避けるのです。

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