IRENEDAOはなぜ失敗したのか

IRENEDAO EYECATCH ETH

海外のDAO、IRENEDAOについてのレビューです。
大きな盛り上がりを見せながらも失敗した、と言える状況に
あるかと思うので書いていこうと思います。

IRENEDAOとは

名前:IRENEDAO
Twitter:IRENEDAO
インフルエンサー:https://mobile.twitter.com/Irenezhao_
Opensea:https://opensea.io/collection/irenedao
販売価格:フリー

IRENEDAOの簡単な説明

インフルエンサー、IreneZhaoさん主催のDAO…?ということになります。
1月15日に特定のコミュニティに所属していた人がフリーミントの形で獲得できました。
フォロワー数が20万人近い恐らく女性インフルエンサーだとトップレベルの方のNFTのリリース、
起業家や有名人が多く参入、DAOというキーワードで盛り上がり一時期は2ETHを超えるほど人気になりました。
IRENEDAO

以前失敗の定義は販売価格を下回ること
と主張したのですが、こちらはまだフロア0.4程度。
下回ってはおりません。
今回はDAOとしての失敗談を書いていこうと思います。

迷走したIRENEDAO

現在のIRENEDAO

さて、有名人含めたブームを起こしたIRENEDAOは
女性インフルエンサーがこぞって自身の画像を利用したDAONFTを発行する現象も引き起こしました。
女性の時代が来るとまでの雰囲気を出していたのですが、
現在は1日2,3コメント。投票も5-6人程度しか反応がない。
残念ながらコミュニティの崩壊を起こしています
Twitterには圧倒的なフォロワーがおり彼女の写真は相変わらず人気です。
NFTに対して2ETH,3ETHといった高額を支払ってでもDAOに入りたい!と言っていた人たちはどこにいったのでしょう。

当初は目的が見えず鈍行運転

一番最初に議論されたのは
Ghozaliさんとのコラボレーションでした。
当時自撮りNFTで話題になってい青年で自撮りNFT同士会うってみたら面白いことが起きるのではないか?という考えがあったようです。

すでに何も生み出さない方向にいっていますが、そういう物なのかな?と思っていました。
参加者は301パスですので1/3程度の人数が投票に参加し可決されました。
しかしこれは実現しませんでした。

次に議論されたのはフロアでの10ETH分の購入
1/23におそらく価格が大きく低下したことで議論されたのでしょう。
こちらも可決され実行されたと思います。

3個目に議論されたのはIRENEDAOの目的、コアチームへの報酬
https://snapshot.org/#/0xirenedao.eth/proposal/0xee4f11dfe93d3ea5920cf2e48b89a1c945ce43c7c85bc694e1e91a099b6df72b
かなりDAOっぽいですね。
この時点でコアチームの人たちとDiscordのメンバーは少し距離ができていたように思います
何も決めないどうしていいかわからないDiscordのメンバーと
自分たちで目的を作っちゃおうとしているコアチーム…(ちょっと悪意のある言い方)でしょうか。

報酬が$1000、通常の運営だと低くはないと思いますが二次市場の手数料からしかないIRENEDAOだと高すぎると言ったような記憶があります。
これも賛成多数で可決されました。

4個目の議論はEthdenverへのIrene氏の出席。そしてイベントの開催
5個目の議論は収益の分配と運用方法

6個目の議論IRENEの掌握

さてずるずるとDAOっぽい運用をしていたIRENEDAOですが、完全な鈍行運転
問題点は目的が決められていないまま集まっている
ということにあると感じていました。

例えばIRENEさんの写真をイーサリアムチェーン上に残したい方(記録できる量が少ないので莫大なETHがかかります)
Ghozaliさんと合体したミームNFTを作りたい方…
突然トークンを作ってみてしまう方

色々いるわけですが何かを生み出す方向にはなかなか向かいませんでした。

業を煮やしたIRENEさんはDAOの乗っ取りを宣言します。
5個目の議論で決められた分配の比率を破棄。
目的を女性へのプロジェクトとするためセカンダリー手数料の半分を寄付
自己への報酬も否定。

基本的にIRENEさんはDAOがはじまってから出てきていませんでした。
連絡担当の方はいらっしゃいましたがずーっと本人不在でした。
(本人の名前を冠するのに)

彼女がやっているプロジェクトSO-COL(ブロックチェーンを利用したSNS)のトークンをVCと同じ価格で買えることも合わせて発表したためNFTのフロアは若干上がりました
(SO-COLはStakwareで独自チェーンで動作する予定のクリエイターファーストのSNSチェーンになるはずです。アニモカ、3acが投資しています)

乗っ取り後のIRENEDAO

引き続き迷走を続ける

コアチームとの衝突。寝耳に水だったようでコアチームからは強い不満の声が出ました。
(そりゃそうです)
お金の扱いをどうするか?などの質問に対して
IreneKnightと呼ばれるSO-COLの運営チームが参入してきており、
彼らは元コアチームの不満や質問を一蹴します、文句あるなら売って出て行け

IRENEDAO2

コロナで遅れたんだよみたいな話ですが
そこまで言うことはないじゃないのという感じで、
元コアチームとSO-COLの運営チームでの軋轢は感じました。

新IRENEDAOにおいてもIRENEは出てきません
そして、彼女達のやりたいことビジョンに比べてIRENEDAOは疲弊していきます。

バレンタインにちなんだNFTのリリース(うやむやに)
動物愛護のNFTのリリース(うやむやに)

おそらく販売してIRENEは寄付をする、それでもNFTの価値はあがるみたいな
買う人もIRENEもWINWINになる。
コミュニティに貢献することのメリットが勝つような物を狙っていたんじゃないかと思いますが
あまりにも反応が鈍かったのかリリースもされませんでした

女性インフルエンサーが集合する

DAOの価値を上げるためか、同時期に女性インフルエンサーのNFTが流行ったのですが
出している方々をスカウトしてDiscordにつれてきました。
3名ぐらい一時期DAOの中に小組織ができたように記憶しています。

1週間ぐらいでいなくなりました。

おそらく報酬や、行動の目的が合わなかったのでしょう。
ただ女性が活躍するというだけじゃそれぞれの目的は違いますからね…

過疎化がすすんでいく

ほぼ会話がなく、NFTのアルファチャンネルの整備。
ニュース担当や、プロジェクトの分析等をする人が出てきましたが。
分析は長文ですがあたってる試しはないですし、ニュースも遅れて共有があるという感じです。
アルファも他所のものをもってきているだけですね。
そんなにレベルは高くなかったです。

そして誰もいなくなった…

という感じでしょうか。

IRENEDAOの失敗点

目的を決めずに集まったメンバーだったこと
が一番の失敗ではないかと思います。
DAOという組織は何にでも適しているわけではなくまず目的から入らないと行けないと何をしていいかわからないです。
仮に女性へのプロジェクトを強くするならば、
一番最初にIRENEが音頭をとらないといけなかったのではないでしょうか
高額でNFTが売買されておりそこで入った人も多かったですので、
期待は膨らんでいたと思います。

また、コミュニティに対して強権的になってしまったこと
いい印象はもてませんでした。

DAOと冠するのにDAOを否定してしまった。と思います。
サークルとかファンクラブとか柔らかい言い方はあったでしょう。
1月の話なのでDAOについての理解もまだ足りてなかったんじゃないかなという気がします。

  • DAOについては目的を決めてから人を集める。
  • DAOの目的は予め明記する(不用意な購入者を避ける)。
  • コミュニティメンバーはどんな意見であっても大切にする。
  • プロジェクトの進捗や案内を常にオープンにする。
  • コミュニティメンバーはインセンティブがないと離れていく。

DAOは投票券を委任する形も増えてきていて全員が参加して行動するとなると参加者が偏る、遅くなりすぎるというのが問題になってきているのではないかと思います。
IRENEDAOも形になるまでに1ヶ月近くかかっていました。
その中の流れはあまりオープンになってなかったように思うので少人数で動かないと物は決められない。
一方でDAOで全員が投票券を持っている場合は全員で決めるべきでしょう。
なのでデリゲート(委任)の方向も最初に検討したほうが良かったかもしれないですね。

IRENEさんも自分の名前をつけている組織なので目的と違う方向に動いているならば
まず対話で変えていくべきだったと言う気が致します。

コミュニティの維持にはインセンティブが無いと難しいとも感じました

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金銭的なものが難しければ、知識でも楽しいという感情でもいいと思うのですが、
IRENEDAOは人が減っていく前にコミュニケーションを取りやすい環境が必要だったのかなと言う気がします。
(なんならIRENEさんが直接会話を盛り上げるでも良かったと思います)
2月3月ぐらいまではまだ人いたんですが、人が減っていくとマイナスのスパイラルが加速しちゃいますね。
NFTの価格が上昇していると価格が上昇するというインセンティブがあるんですが…
下落&人がいないのコンボはよろしくないです。

まとめ

自分が半年ぐらい見ていたDAOの一例でした。
かなり盛り上がった事例なので名前を知っていて気になっていた人も多いと思います。

1月2月と盛り上がっていたのでDAO側にもそれなりに資産は持っているはずなのですが、
チームメンバーに持続して報酬を出すのは難しそうです。
持続した組織にするにはセカンダリーの手数料だけでなく収益を生み出す方法の模索は必要そうに思います。

IRENEDAOのパスを持っているとSO-COLのVCと同じ価格で$452分トークンを買えるそうです
(Vestingがどうなるのか、破綻した3AC分がいつ売られるのかは不明)
興味ある方は是非どうぞw
(ご覧になっている時期によってはもうすでにこの話がなくなっているかもなので確認の上でご購入ください)

失敗している事例ばかり書いているのですが、失敗した事例のほうが書きやすいのですよね。
成功するほうが珍しい世界だと思うのでなかなか興味深いです。

コメント

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